株主優待制度の仕組みと条件について

株主優待制度は、企業が自社の株式を所有している株主に対して、自社サービスの利用優待券や商品などを送る仕組みで、株主優待の内容は企業により異なり色々なものがあります。
制度を設けていない企業もありますが、自社株保有のインセンティブ・動機付けとしてこの仕組みを導入している企業もあります。
株主優待を貰うには、制度を導入している企業の株を保有する事が必要で、かつ、いくつかの条件があります。

まず、株主優待獲得に必要な条件を満たしている事が必要です。
企業のホームページか証券会社のホームページからその条件を確認してください。
大抵は株数の条件があり、100株以上保有する事や株数に応じて優待内容が変わる等の条件が示されています。
また、株の保有期間を条件とする場合もあり、例えば「1年以上継続して保有する事」等となっている場合があります。
この場合、株主名簿に1年間は株主として登録されていなければなりません。
条件を満たさない場合は、株主優待を受けられませんので、きちんと確認して下さい。

次に、権利付き最終日に株を保有していることも必要です。
この条件を満たすと、権利確定日(権利付き最終日の3営業日後)に株主名簿に株主として登録され、株主優待を受ける権利が確定します。
ちなみに、権利付き最終日の翌営業日を権利落ち日と呼びますが、権利落ち日に株を売っても権利確定日に株主として登録されますので株主優待を受け取ることができます。

最後に、気を付けなければいけないことは、信用取引で株を買っても株主優待を受け取れないということです。
信用取引は証券会社から資金を借りて行う取引で、信用取引で取得した株は担保として証券会社が所有しているからです。
尚、配当金は信用取引の場合でも配当金相当額(または配当金調整額)という形で受け取れますので参考まで。

株主優待を受ける権利が確定すると、ある程度決まった時期に株主優待が送付されてきますので、それを待つだけという事になります。

極力リスクを抑えて株主優待を入手する方法とは?

権利付き最終日に株を保有していれば株主優待を受け取る事ができます。
権利付き最終日に株を購入して権利落ち日に売却すれば、株主優待を受け取ることができて得をすると思っている方もいますが、それは間違いです。
株主優待を実施している企業の株価は、大抵権利付き最終日に向かって上がり権利落ち日に大きく下がるものだからです。
1万円相当の株主優待を得るために、株価下落で10万円損するという事も充分にあり得ます。

株を長期保有して売ったりしない人にはあまり関係ありませんが、株主優待目当てで株を購入する人にとってこれは大きなリスクです。
株主優待を手に入れたらその株は売って現金にし、翌月の株主優待獲得に資金を回したいと思うのは当然の事です。
そこで、株価下落によるリスクを抑えて株主優待を受け取る方法について説明します。

まず、権利付き最終日の寄り付き前(9時前)に、現物買いと一般信用売りを成り行きで同数発注します。
信用取引には、制度信用取引と一般信用取引がありますが、制度信用取引では株不足の場合に「逆日歩」という費用が余計にかかる場合があるため、そのリスクを避けるために一般信用取引で信用売りにした方が良いのです。

寄り付きで約定し、現物株と空売り株を同じ価格で同数持つことになりますので、15時まで保有し続ければ株主優待の権利を獲得します。

次に、権利落ち日以降に現物株で空売り株を「現渡し」で清算します。
「現渡し」は、証券会社から借りた空売り株を現物株で返す方法で、現物売却手数料と信用決算手数料がかかりません。

これが、株価下落のリスクを抑えて株主優待を入手する方法です。
しかし、決算時の手数料をなくすなどの工夫を行っても、リスクはゼロにはなりません。
この方法でも、現物買いと信用売りの際の株式取引手数料と信用売りの金利がかかります。
また配当金について、信用売りでは100%支払い、現物買いは約80%受け取りの配当金相当額となりますので、配当金の約20%相当額は負担する事になります。
参考までに、配当金には源泉税20%がかかっていましたが、復興特別所得税分0.315%が付加されて20.135%の税率となりました。